ベトナムから日本を考える2 中国報道

日本の報道だけに接している人は次のことを知らない人の方が多いのではないか。

1)500メートル球面電波望遠鏡が完成した。

今年の7月4日、中国貴州省に5年もの期間をかけて建設中だった電波望遠鏡「FAST」の反射鏡設置工事が完了した。付帯工事を今年中に完了する見込み。稼働後はこれまでにない精度での宇宙観測により地球外生命など未知の物体や現象の発見に用いられる計画。

http://japanese.engadget.com/2016/07/06/fast-500m/

 

2)宇宙ステーション「天宮2号」の打ち上げ成功

中国は9月15日、宇宙ステーション「天宮2号」の打ち上げに成功した。4~6週間以内に有人宇宙船「神舟11号」をドッキングさせ、さまざまな科学研究を行う計画。

http://wired.jp/2016/09/16/china-second-heavenly-palace/

 

次のニュースは伝わっているかも。

3)「世界最長」中国のガラス橋が10日あまりで営業停止

中国張家界にアメリカの映画「アバター」の舞台になったと言われているガラスのつり橋(全長430メートル、地上からの高さは約300メートル)が8月20日にオープンしたが10日余りで営業停止したというニュース。

http://www.huffingtonpost.jp/2016/09/04/glass-bridge_n_11862374.html

 

ベトナムでは日本のTVは見えない。唯一見えるのはNHKワールドだけ。有償で見るサービスはあるようだが、見ない。いつもはBBCかCNNを見る。これらメディアの中国に対する扱い方が日本と違うことを感じる。というか日本の扱い方が偏っている感じ。尖閣列島に中国船舶が近づいたとか、汚職のニュースとか、貧困とか、どちらかというとネガティブなニュースが伝わっているのではないか。

多くの日本人は上記1とか2のようなに先進技術が中国にあることを知らない。また、既に中国のGDPは日本の2倍近くになっているのだ。これも知らない人が多いのでは?

2013年統計  日本 4.92兆USD、 中国 9.24兆USD              

こんな数字を出すと中国の統計はウソばかり、といった本が売れたりする。

 

日本は中国という大国と、いまのような関係で良いのだろうか?

尖閣問題などは棚上げにして早く良好な関係を築き上げるべきと思う。それを妨害しているのが日本メディアの偏った報道ではないか。それを海外のニュースを見ていると感じるのだ。 

過去日本の先人たちは、中国からたくさん学んできた。今の日本も現代中国から学ぶことはたくさんあるはず。中国と戦争したって勝てるわけがない。大体戦争はGDPの大きさで決まるというのは常識、争うより仲良くした方が良いに決まっている。中国のことを正しく知って、たくさん学び、改善し、成長することが大事と思う。欧米メディアは日本よりはるかに正しく中国を伝えていると感じる。日本も負けてはいられない。 

次の文章はクリミア戦争(1853年から1856年)でロシアがフランス、英国に負けた時のロシア皇帝政府の検閲官であったアレクサンドル・ニキチェンコの言葉である。(『クリミア戦争』オーランドー・ファイジズ(著) 染谷徹(訳)白水社 から引用)

『だが、傲慢にも西欧文明を軽蔑した我々自身がいかに無知で、精神の鈍麻した存在だったか証明されてしまった。実際にはロシアは腐敗堕落した後進国だったのだ。我々は何と惨めな国民だろうか』

西欧文明を中国、ロシアを日本と置き換えてみたらどうだろうか。後で惨めな思いをしないように今から変えることが必要だと思う。 

では、また。明日が今日より進歩しますように。