国民背番号制とスマホ
国民背番号制とスマホについて考えてみる。
国民背番号制はプライバシー侵害につながる、などと反対されながらも、2016年(平成28年)1月にやっとマイナンバーカードが開始されたことはご存じと思います。普及は必ずしも円滑ではなさそうで、2020年(令和2年)時点でその交付枚数は人口の15.5%である。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000674166.pdf
一方、スマホ、携帯電話等のモバイル端末の個人保有率は2019年(令和元年)時点で81.1%である。 (スマホ 67.6% 、携帯電話・PHS 24.1%)
銀行口座登録時にはモバイル端末の電話番号を登録している人は多いはずだ。
これらの電話番号で個人を特定することは容易である。
確かにこれらの番号は次の欠点があり、個人を特定する手法としては完璧ではない。
ア)生涯一つの番号ではない
イ)電話番号の使いまわしがされており、同じ番号で複数人が紐づけられる場合がある
しかし、現時点ではマイナンバーカードを使うよりはるかに実用的である。例えば、銀行口座の名寄せを電話番号で行う場合を考えてみよう。
上記ア)の問題は番号の履歴を管理しておけばよいし、そもそもスマホの番号を変えたら一般的に私たちは自ら最新の番号を銀行に連絡するだろう。そうしないとネットバンキングなど使えないからだ。
また、イ)の問題は個別に調査するしか手はなさそうだが、十分調査可能なまで絞り込むことが可能なので一件一件調査していくことで問題ない。
以上のことにより、やる気になれば、スマホあるいは携帯電話の電話番号で銀行口座の名寄せをすることはいまでも可能なのだ。
しかも、スマホにはGPS機能がついていることが一般的なので、現在位置まで把握することが可能である。GPS機能が付いていなくても、携帯電話はその性質上、電源をオンすれば、大凡の位置は分かってしまう。マイナンバーカードでそんなことできない。
プライバシーの侵害などと騒いでマイナンバー制度に反対した人たちでさえ、スマホを使っている人は多いはずだ。位置情報を知られたくないからスマホは使わない、などという人は普通の人はいない。特殊な人は別だが。
スマホをみんなが使いだした時点ですでに国民背番号制は成立していたのだ。
マイナンバーカードなど止めてスマホの電話番号と健康保険証あるいは免許証を紐づけてはどうか?
それではまた。今日より明日のほうが進歩しますように。
以上